【読み切りショートストーリー】世間は意外と狭い。あなたは運命を信じますか?

創作

「ヤバい寝坊した!遅刻する」

相変わらず朝の弱い私は、毎日こんな調子だ

毎朝起こしてくれる人がほしいと常に思う

急いで自転車に乗り駅へ向かう。

「あ!細かいお金がない・・・」

慌てて出かけたのでいつもこんな感じ

駐輪場に自転車を置けないのでこっそりと置いて駅へ向かう

電車にゆられ仕事場へ

家の前が職場ならギリギリまで眠れるのだが、とぼやきながら向かう

ようやく仕事を終え帰ろうとすると

「あ!自転車がない!やられた・・・」

やられたと言っても盗まれたわけではない。

放置自転車が多いので撤去されてしまうのである

大体撤去する日は決まっているのだが、抜き打ちでやる場合もある。

バスに乗り、撤去場へと向かう

同じように撤去された人が集まって手続きをしていた。

チラッと見るとわたしのタイプの女性がいたので声を掛けてみた

「撤去されちゃいましたか?」

「もう2回目よ!」

わたしもおなじく常連である。

自転車を引き取る手続きをして、住所と氏名と電話番号を書いてると

先ほどの女性もいた

チラッとみたら、記入した名前と電話番号が見えた

手続きを終えた人から自転車に乗って撤去場を後にする

しばらくすると前に先ほどの女性が信号待ちをしていたので声をかける

「いやぁお互い大変でしたねw」

「ね!もうこりごり」

途中でお互い道が違うので別れる

また偶然会わないかな?と淡い期待をしながら家に帰る

家に帰りゆっくりしていると、奇跡的な事が起こる

先ほどの会話を交わした女性の名前と電話番号が頭に浮かぶ

とっさに紙とペンをとり書き写す

こんな事は初めてである。記憶力には自信がない私が覚えている

こんな事もあるもんだなと不思議に思いながらテレビを見る

すぐにかけてはなんか恥ずかしいからまたしばらくしてからかけよう

数日後

さっそく電話をかけてみた

「もしもし!かおりさん!自転車撤去されていませんか?」

「はい?どちら様でしょうか?」

「すいませんいきなり。この前撤去場で声をかけた、はるおです!」

「はぁーッ?え?なんで電話番号知ってんのよ?」

不審がられて当然である。不快極まりないこの行動。通報されてもおかしくない案件

「この前チラッと見たら覚えてしまってかけてしまいました。あ、でも大丈夫ですこのまま切ります。ごめんなさい」

あわよくばお知り合いになり、デートでもできたらいいなと軽い気持ちだったが、すぐに退散しようとする

「もういいわよ。しょうがないな~」

なにかを言いたそうだが、大人の対応してくれ

「で、どうしたいの?あなたは?」

「え?いやぁ~あなたがすごいタイプだったので、デートしたいな~って、ハハハハ・・・」

ストレートに言ってみた

「いいわよ!」

予想外の展開に心躍る。

(よっしゃぁー!!!)

しばらくして、デートを重ねいい感じになったところで告白する

「もしよかったらお付き合いしてくれませんか?」

しばらくうつむき考えながら

「とりあえず、家に帰ったら、返事は電話でするわ」

と二人は別れて家に帰ることになる

数日して電話がかかってきた

「やっぱりごめんなさい。私、忘れられない人がいるの。」

「ごめんなさい・・・」

そうして、二人の恋はいや、一方的な、はるおの恋は終わってしまったのである。

それから1年ぐらい経過したころ

後輩のまさおからの電話があった

「はるお君!ごめんお願いがある!ちょっと居候させてくんない?」

女の子なら嬉しいが、男なので気が乗らなかったが

「しょうがないな!いいよ!来いよ!」

「マジ!ありがとう!家借りる資金が貯まり次第出るからそれまでお願い!もちろん家賃半分払うから」

頼られると断れない性格なので承諾する

こうして、男2人暮らしが始まるわけです。

仕事から帰ると、まさおがなにやら楽しそうに電話している

(電話代高いんだから遠慮しろよな)って思いながら

「はるお君!電話代ろうか?女の子だよ!」

え?
「俺の知り合い?」

まさおは違うよと言い電話を代わる

「もしもし!はるおです!」

相手の女性
「はるおって言ってるぅぅう!!!!」

と、ここで保留音。

「え?なにこれ?まさお!この女性とどういう関係?」

「いや、職場の同僚」

ふ~んと不思議に思いながら電話を待つ

保留音が終わり、話しかけてきた

「苗字はなんですか?」

「晴天です。晴天はるおです。」

と言った直後に

「ぎやぁぁあああ!晴天って言ってるぅつうう!」

と、保留音になる

なにが起こっているのかわからない!?

まさおとわたしはキョトンとして呆然としていた

保留音が終わる。すると、別の女性が電話に出る

「なんでアナタがいるのよ!」

え?どこかで聞いた声ではあるが、パニックになっている私はわけがわからない

「わ・た・し・!かおりよ!」

「おぉおおおお!元気してた?ひさしぶり!」

まさか、そんな偶然でふたたび会うと思っていなかった

運命っていろいろ面白おかしく、神様はいたずらして楽しませてくれるのね

世間は狭いと感じた

ここで話を整理しながら説明する

後輩のまさおは、職場の女の子に声をかけ電話番号をGetして、私の家で話す
まさおの同僚の女の子は、「さや」

この、さやさんとかおりさんの2人は、私とまさおと同じように同居していたのである

この後、意気投合して4人で遊ぶ事に

【お し ま い】

いかがだったでしょうか?

この話は事実を元にしたストーリーかどうかは、私しか知りません。

ここまで読んで下さったアナタは本当に優しい人です。ありがとうございますm(__)m

感謝してます

また来てくださいね

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